レオーベンへの道 32:マッセナ師団のザンクト・ファイトへの前進とオーストリア軍のグルク渓谷への撤退
Road to Leoben 32
ヴァルヴァゾーネの戦い、グラディスカの戦い、タルヴィスの戦い
勢力 | 戦力 | 損害 |
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フランス共和国 | ヴァルヴァゾーネの戦い:推定17,000~20,000人 グラディスカの戦い:推定約10,000人 タルヴィスの戦い:推定約11,000人 |
ヴァルヴァゾーネの戦い:死傷者と捕虜の合計約500人 グラディスカの戦い:ほぼ無し タルヴィスの戦い:約1,200人 |
オーストリア | ヴァルヴァゾーネの戦い:推定約15,000人~18,000人 グラディスカの戦い:推定3,000~4,000人 タルヴィスの戦い:推定約8,000人 |
ヴァルヴァゾーネの戦い:死傷者と捕虜の合計約700人、大砲6門 グラディスカの戦い:死者約500人、負傷者 不明、捕虜2,513人、大砲8門 タルヴィスの戦い:1797年2月22日~23日にかけての一連の戦いの損害の合計約2,500人、大砲25門、荷車400台 |
カール大公本体のグルク渓谷へのさらなる後退計画
ザンクト・ファイト周辺は防御に適していない地域だった。
周囲には通行可能な低い山しかなく、側面に進出され退路を脅かされる危険を想定できた。
そのため、カール大公は翌30日にグルク(Gurk)川の背後に位置するミッヒェルドルフ(Micheldorf)周辺に主力を移動することを決定した。
◎カール大公軍各部隊のグルク渓谷での配置予定場所
そして後退中、各旅団に対し新たな位置を示し、互いにどのように対応するかを正確に決定した。
2個歩兵旅団を率いるメルカンディン将軍はそれらの内のオラニエ旅団とともにケルンテン州とシュタイアーマルク州の州境に位置するホーエンフェルト(Hohenfeld)に向かう。
ロイス師団所属のリンデナウ(Lindenau)旅団はメルブリング(Mölbling)に向かい、ミトロフスキー旅団はその左に位置するアルトホーフェン(Althofen)へ向かう。
ラターマン将軍はラーベンシュタイン(Rabenstein)の上の山を登り、オクスカイ将軍はシュトラースブルク(Straßburg)を支援するためにグンダースドルフ(Gundersdorf)へ向かう。
シュビルツ将軍は騎兵隊と軽砲とともにメルブリングとアルトホーフェンへ向かう。
そして本部はミッヒェルドルフ(Micheldorf)に移動する。
最後に2個歩兵大隊、3個猟騎兵中隊、1個軽騎兵中隊を擁するブラディ旅団が後衛として形成され、前哨線を構築するよう命じられた。
カール大公はグルク渓谷とメトニッツ(Metnitz)渓谷の合流点に主力を配置し、渓谷の入り口と周辺の山々に部隊を配置して防御を固めるよう各部隊に命じたのである。
オーストリア軍のザンクト・ファイトからの撤退
1797年3月30日、前日に定めた後退計画は部分的にしか実行されなかった。
フランス軍がクラーゲンフルトから前進しなかったのである。
そのためブラディ将軍は後衛とともにザンクト・ファイトに残り、ブラディ旅団の支援を受けてミトロフスキー旅団とリンデナウ旅団はホーエンフェルトに向かう道に並んだ。
一方、フランス軍側ではギウ師団はクラーゲンフルトのマッセナ師団との合流を急いでおり、シャボー師団はフィラハに残った。
そしてボナパルトはマリボルに軽歩兵部隊を派遣した。
◎フランス軍のザンクト・ファイトへの前進の開始
3月31日午前10時頃、遂にフランス軍の歩兵6,000人、騎兵600騎の列がザンクト・ファイトへの前進を開始した。
その他の部隊は両側の森や山の中を進んだ。
ザンクト・ファイトへ進んだのはマッセナ師団であり、ボナパルトは30日の段階で、翌31日午前6時に将軍会議を開き、7時に旗を掲揚した後、直ちに出発してサン・ファイトへ向かうよう命じていた。
そしてギウ師団が31日にクラーゲンフルトに到着することを見込んでいた。
ブラディ将軍は予定通りザンクト・ファイトから退却し、戦闘を受け入れることなくゆっくりとグルク川に向かって撤退した。
ベルナドット師団へのリュブリャナへの集結命令
3月30日、ゼッケンドルフ師団がリュブリャナ周辺からツェリェに後退したことを知ったボナパルトは、ベルナドット将軍に全師団をリュブリャナに集結させるよう命じ、次の命令があるまで防御を固めて待機するよう命じた。
ベルナドット将軍はこの書簡を受け取るとリュブリャナへ師団を集結させた。
これによってナポレオンは側面を攻撃される危険とゴリツィアへの連絡線が遮断される危険を排除することができ、ベルナドット師団はゼッケンドルフ旅団を追跡することもクラーゲンフルトへ向かいナポレオン本体と合流することもできる位置を獲得した。
対するゼッケンドルフ旅団はカール大公本体からより離れることを余儀なくされ、カール大公本体との合流は非常に難しい状況となった。
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