ガルダ湖畔の戦い 06:オーストリア軍による侵攻①
Battle on the shores of Lake Garda 06
ロナートの戦い、カスティリオーネの戦い
勢力 | 戦力 | 損害 |
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フランス共和国 | ロナート:約20,000人 カスティリオーネ:約30,000人 |
ロナート:約2,000人 カスティリオーネ:約1,300人 |
オーストリア | ロナート:約15,000人 カスティリオーネ:約25,000人 |
ロナート:約5,000人 カスティリオーネ:約3,000人 |
コロナでの戦闘
1796年7月29日未明、右中央メラス師団は前衛にバルド山に向かうよう命じ、フランス軽騎兵隊に奇襲をかけた。山頂の前線基地から約250人のフランス兵を撤退させ、バルド山にあるヴァルフレダ(Valfredda)に野営していたフランス旅団の右側面に展開した。
最初の射撃でジュベールは第18大隊隷下の3個中隊をヴァルフレダに向かわせて補強しようとした。
コロナの左側面にあるカンペデッロ(Campedello)から降りてきたオーストリア軍は、ジュベールがヴァルフレダに送った3個中隊と衝突した。
中隊はオーストリア軍を2時間足止めした。そして予備の歩兵300人により補強されオーストリア軍をバルド山の頂上に押し戻した。
この時ヴァレッテはバルド山西側に配置されている麾下の部隊を攻撃を受けている地点の支援のためにカプリーノ(Caprino)に後退させた。
この戦闘中にフェラーラ(Ferarra)から現れたサマー旅団及びバヤリックス旅団隷下の部隊がコロナの塹壕に向けて進軍した。そしてアディジェ川に対して砲台を設置した。
コロナ守備隊はオーストリア軍の連続する攻勢を3度撃退した。しかしその後、バルド山から下ってきたオーストリアの部隊がコロナの背後のヴァルフレダに出現し、コロナ守備隊の後背の部隊を500歩~600歩ほどの距離を後退させた。
そしてそのままコロナ守備隊の後背に襲い掛かり、固く守られていた堡塁を奪い始めた。
コロナで勇戦していた守備隊は、包囲されオーストリア軍の数が刻々と増えつつあるのを見て200人を塹壕に残し、後背のオーストリアの部隊を突破し撤退した。
◎コロナの戦闘(前半)
コロナがオーストリア軍の手中に落ちるのは時間の問題だった。しかしジュベールは前線を維持することを諦めたわけでは無かった。ジュベールは後方の12個中隊(恐らくカプリーノにいるヴァレッテ旅団所属)に急いでパッゾン(Pazzon)に来るよう命じた。
中隊がパッゾンに到着するとすぐにジュベールは部隊を2つに分け、バルド山に6個中隊、コロナ方面に6個中隊を向かわせた。
戦いが再び始まりオーストリア軍を一時怯ませた。しかしオーストリア軍は圧倒的に優勢であり、コロナの堡塁を破壊し残っていた200人の部隊を撤退に追い込んだ。
これを見たヴァルフレダの砲兵は戦闘を放棄し逃げ出した。
ジュベールはこれに憤慨し、前線に向かいオーストリア軍の欄干の上に2回射撃を行い、弾丸が激しく飛び交う中、前線の部隊に加わった。
ジュベールは抵抗を続けながら後退し、正午にリヴォリに集結した。
◎コロナの戦闘(後半)
このコロナでの戦闘で約500人が死傷もしくは捕虜となった。
バルド山を防衛していた部隊はカプリーノに後退し、ヴァレッテ旅団と合流した。
7月29日夜明け、ボナパルトはペスキエーラに到着し、その数時間後マッセナからの報告でコロナが奪われたことを知った。その後、オージュローにフェラーラとサン・ベネデットの守備隊を呼び戻すよう命じ、オージュローはレニャーゴを去りロベルベッラへ向かう準備を始めた。
ブレンティーノでの戦闘
一方、アディジェ川沿いにアーヴィオ(Avio)から現れたセボッテンドルフはブレンティーノに向けて進軍し、ダヴィドウィッチの部隊も左岸に砲台を設置し、フランスの前哨基地を攻撃した。
堡塁のふもとに到着するとセボッテンドルフは激しい砲撃にさらされ、部隊は混乱し後退を余儀なくされた。セボッテンドルフはその後もブレンティーノの前哨基地への攻撃を3回行ったがすべて撃退された。
正面からの攻撃ではこの前哨基地を攻略することは難しいと考えたセボッテンドルフは、ニコレッティ旅団を率いてブレンティーノの前哨基地の左側の堡塁を攻撃した。
指揮していたファブレ大尉はこの攻撃を側面から受けて重傷を負った。
ファブレ大尉は大隊を残し、マドンナ・デッラ・コロナに運ばれた。しかしコロナはすでにオーストリア軍の手に落ちており、そこで降伏を余儀なくされた。
◎ブレンティーノの戦闘(前半)
ブレンティーノの正面を防衛していた部隊はアディジェ川右岸に沿ってプレアボッコに撤退した。
このフランス軍が撤退した空間を埋めるようにピットーニ旅団が進軍した。
ブレンティーノ守備隊の撤退はプレアボッコ近くのアディジェ川と絶壁に阻まれた。通行可能な箇所はアディジェ川と絶壁の間の細い道のみであった。しかし細い道のアディジェ川左岸側にはダヴィドウィッチ師団が先回りをして配置していた6門の大砲を配備した歩兵部隊があった。
◎ブレンティーノの戦闘(後半)
ブレンティーノ守備隊は必死に抵抗したが、この喉に閉じ込められ、遂には弾薬を使い果たして降伏を余儀なくされた。