サオルジォの戦い 02 Battle of Saorgio 02

サオルジオの戦い

勢力 戦力 損害
フランス共和国 約20,000人 約1,500人
サルディーニャ王国
オーストリア
約8,000人 約2,800人
※この数字には、セリュリエの部隊、ムーレット軍、アルジャントー軍、オネリア守備軍は含まれていない。あくまでサオルジォ近郊で戦った軍の数字である。

ナポレオンの作戦Napoleon's Strategy

 ピエモンテ軍はサオルジォを中心に高地を占拠しており、強固な防衛線を構築している。その防衛線を直接攻撃することは過去の戦闘資料を見ても失敗は明らかであった。

 しかし、ピエモンテ軍右翼は頑強だが、左翼は右翼に比べて頑強ではないことをナポレオンは発見した。

 ナポレオンはイタリア方面軍の状況を的確に把握し、食料供給の改善、タンド峠周辺のピエモンテ軍排除を達成できる作戦をデュメルビオンに示した。デュメルビオンは異議を唱えることなくこの作戦は即時採用された。

第一段階・・・ムーレット中将率いる約6,000人の部隊とマッセナ中将率いる2個旅団(約5,000人)はMentonからVentimigliaに移動し、ムーレット軍は海岸沿いに進軍し、オネリアを占領。マッセナ軍は マルタ ~ サッカレロ周辺の高地を占領。

第二段階・・・マッカード少将率いる約4,000人の部隊はロイヤ川を渡り、ドルチェアクアを経由しサオルジォ東の山岳地帯に進軍。そして陽動攻撃を仕掛ける。ラアルプ少将率いる約5,000人の予備兵力はドルチェアクアを経由しピニャを占領、周辺を掌握する。

第三段階・・・マッセナ軍がマッカード軍の陽動攻撃に合わせ、マッカード軍の指示で マルタ ~ サッカレロ 間のピエモンテ軍を撃破。ピエモンテ軍の後背にあるラ・ブリガを攻略し連絡線を脅かす。


 まずオネリアを占領することにより、オネリアを拠点に ニース ~ ジェノヴァ間の交易航路を脅かしていたイギリス海軍分艦隊やピエモンテの私掠船団を排除できる。これで ニース ~ ジェノヴァ間の穀物交易が再開可能となり、食料事情がかなり改善される。

 次にマッカードがサオルジォ東の山岳地帯に陽動攻撃を仕掛けピエモンテ軍の注意を引き付けることで、 マルタ ~ サッカレロ 方面へのマッセナ軍の行動が助攻であるように見せかける。

 そして、マッセナ軍がタナレロ山を含むブリガ・アルタ地域及び マルタ ~ サッカレロ を占領し、ピエモンテ軍の後背を脅かすのである。これによって、サオルジォを中心として防衛線を構築していたピエモンテ軍は、選択を迫られることになる。

 連絡線が断たれる前にピエモンテ軍右翼を結集しマッセナ軍を排除するか、攻勢に打って出てニースを占領することにより逆にフランス軍の連絡線を断つか、撤退するかである。

※対ピエモンテ軍右翼については、ガルニエ中将率いるフランス軍左翼が防衛線を構築して対峙している。作戦図はフランス軍中央および右翼のみ記載

デ・ヴィンスの作戦(予想)de Vins's Strategy

 ピエモンテの将官デレラがブリガ・アルタ地域を占領しサッカレロ周辺を強化すべきとデ・ヴィンスに提案したが、デ・ヴィンスは却下し、オネリアの守りとしてピエモンテ兵4,000人を派遣している。

 サオルジォ周辺に防衛線を構築しているピエモンテ軍の指揮をコッリ中将に一任し2個大隊を派遣。コッリの指揮下にプロベラ少将とアルジャント―少将を付けた。プロベラは ロクビリエーレ ~ サオルジォ までの右翼を担当し、アルジャント―は約6,000人の部隊でオルメア周辺のフランス軍の排除及び マルタ ~ サッカレロ の防衛拠点の支援を担当した。

 これらのことからデ・ヴィンスは直接的に マルタ ~ サッカレロ を防衛する方針ではないことがわかる。 マルタ ~ サッカレロ については現有戦力で防衛。オネリアに兵を配置することによって海岸沿いを防衛。オルメア周辺をアルジャント―に担当させることによって間接的に マルタ ~ サッカレロ を支援しブリガ・アルタ地域へのフランス軍の進軍を阻止することを考えていたと思われる。

①サオルジォ周辺のピエモンテ軍防衛線を突破するのは困難であると考えて現有戦力で防衛した。

②海岸沿いから攻め上ってくることをデ・ヴィンスは想定していた。フランス軍の海岸沿いの進軍を阻むため、オネリアに兵力を配置した。

③フランス軍が マルタ ~ サッカレロ間のピエモンテ軍防衛線を突破するか迂回してサオルジォ周辺を防衛するピエモンテ軍の後背を突こうと考えている可能性。オルメア周辺をフランス軍が支配することによりアルプス山脈方面で対峙しつつチェバ、サヴォワ攻略の足掛かりを獲得しようと考えている可能性が考えられる。その両方を阻止するためにピエモンテ軍はフランス軍中央から マルタ ~ ブリガ・アルタ地域やオルメア周辺地域を防衛する必要があった。