もし台湾が中国に併合されてしまったら日本にどのような脅威があるのか
2022年10月20日執筆
本記事では台湾が中国に併合されてしまった場合、日本はどういう状況になり、中国はその後どのような戦略をとってくるのかを考察しています。
中国が台湾を攻略可能かどうかや台湾が守りきれた場合のこと、台湾併合までの具体的な過程は範囲外となります。
あくまでも考察であり、必ずそうなるという訳ではないことをご留意下さい。
※中国が台湾を狙っている理由について知りたい方は下記リンク記事をご覧ください。
台湾が中国に併合される3つのシナリオ
中国が台湾の併合に成功すると仮定したした場合、併合のされ方には大きく分けて3つのシナリオがあると考えられます。
シナリオ①:台湾の政権交代による併合
これはアメリカの影響力が大きく減衰することを契機として起こると考えられ、台湾の人達が中国の軍事的圧力に屈して親中である国民党が政権を握り、中国との合併を承認するというシナリオです。
この場合、中国が主張している一国二制度が適用されると考えられますが、香港のように急速に言論統制や中国にとって思想的に好ましくない人物への弾圧が進むことも予想されます。
2022年の段階ではアメリカの影響力は相対的に弱体化しているものの依然として強く、香港における民主化デモ以降、国民党が政権を奪取する気配はありません。
シナリオ②:軍事力による制圧(米軍が代理戦争を選択した場合)
このシナリオは、今のウクライナと同じく武器を台湾に供与し戦争を継続させる代理戦争をアメリカが選択し、その上で台湾が中国軍の占領下に置かれてしまう場合になります。
この場合、アメリカと中国は緊迫した状況ではありますが戦争状態ではなく、アメリカ海軍は国際海域に海軍を展開させて威圧し、中国軍によるそれ以上の進軍を阻止しようとするでしょう。
中国軍は台湾に留まり統治を開始し、言論統制や中国にとって思想的に好ましくない人物への弾圧を行うでしょう。
最前線は与那国島となり日本とアメリカはその対応に追われることになります。
シナリオ③:軍事力による制圧(米軍が中国軍との対決を選択した場合)
◎第一列島線、第二列島線、第三列島線概要図
これは中国軍が台米連合軍(その時の状況によっては日本も加わる)と戦い、台湾が中国軍の占領下に置かれてしまうというシナリオです。
この場合、アメリカ海軍は中国海軍との第一列島線を巡る戦いに敗北したかもしくは後退を強いられたと想定され、同時に米軍基地のある沖縄と長崎は攻撃の対象となり戦火に巻き込まれ、中国対日米の戦争に発展するるものと想定されます。
※もちろん米中間で何らかの協定が結ばれて停戦となる可能性もありますし、中国軍の被害状況によっては占領は台湾のみとなりこれ以上の侵攻は難しくなるかもしれません。
このシナリオの場合、沖縄へはミサイルが飛来し、与那国島から宮古島、そして尖閣諸島などは中国海軍の勢力下に置かれているかもしれません。
この時に中国は「釣魚島は中国固有の領土」、「琉球は歴史的に中国に属する」などと主張して不法占拠を正当化しようとし、沖縄を明け渡すよう要求するでしょう。
沖縄本島には多くの米軍基地や自衛隊基地があるため、中国軍は綿密な準備を行った上で上陸作戦を行うのではないかと想定されます。
2021年度までの中国軍の活動範囲
◎日本周辺海空域における中国軍の主な活動
出典:令和3年度版防衛白書
◎2021年度緊急発進資料
出典:統合幕僚幹部 報道発表資料(https://www.mod.go.jp/js/)
上の図のように台湾併合前は航空戦力、海上戦力ともに沖縄周辺における活動が非常に多く、海上戦力は日本を周回し津軽海峡なども横断しています。
沖縄周辺における活動が非常に多い理由は、中国人民解放軍海軍3大艦隊の内の「北海艦隊」と「東海艦隊」が山東省青島市と浙江省寧波市にあり、中国人民解放軍空軍基地が山東省済南市と上海にあるためです。
中国も戦いの最前線に近い位置により多くの部隊と基地を配置していることが分かりますし、沖縄周辺の圧力が強く、太平洋側の地域はそれほど圧力を受けていないことが分かります。
※中国人民解放軍の脅威度や米中両陣営の戦力を知りたい方は下記リンク記事をチェックしてください。
シナリオ①と②における台湾併合以降の中国軍の主な活動範囲の想定
◎シナリオ①と②における台湾合併以降の日本周辺海空域における中国軍の主な活動範囲の想定
もし台湾が併合されてしまった場合はどうでしょうか?
おそらく中国は台湾軍の港や空港を接収して海軍及び空軍基地を設置し、海上戦力、航空戦力ともに小笠原諸島、グアムにまで迫り、沖ノ鳥島は「岩礁」と主張して無視され、沖縄周辺や九州の東シナ海側はもちろん、九州や本州の太平洋側にも圧力をかけてくるでしょう。
そうなった場合、日本は今までそれほど警戒をしていなかった地域にも警戒網を広げて強化することを余儀なくされ、それに伴って国防費を大幅に増やさざるを得なくなるでしょう。
その際、既存の税の増税もしくは新たに作られた税が日本国民に課されて財源が確保されると考えられます。
シナリオ①と②の場合における中国の沖縄戦略
中国は2013年頃から政府発行の機関紙などに「琉球の帰属は歴史的に未解決」という主張を展開しています。
そして近年、中国政府としても「琉球の帰属は歴史的に未解決」という主張をし始めています。
これは台湾と同時もしくは台湾の次に沖縄を狙っているということを意味しています。
「サラミ戦術」と言われるもので、台湾、尖閣諸島、沖縄の順にサラミを薄くスライスするように相手の勢力圏や領土を切り取っていく戦術です。
沖縄の周辺海域(フィリピン海含む)では中国漁船や海軍がより活発に活動し、沖縄の住民を分裂させるための偽情報や在日米軍や自衛隊の不祥事を利用したプロパガンダの流布もより活発に行われるでしょう。
沖縄周辺海域では今の台湾のように軍事演習と称してミサイルが落下し、内側からだけではなく外側からも圧力を強めてくるでしょう。
「台湾有事」ならぬ「日本有事」が叫ばれると予想されます。
しかし沖縄には自衛隊基地及び米軍基地があるため、例え住民の反発があったとしても日本政府は国土防衛の立場を堅持し、沖縄を守り抜こうとすると考えられます。
中国はシナリオ①の台湾のようには沖縄を併合することはできず、「日本有事」≒「第二次日中戦争」となるでしょう。
シナリオ③における台湾合併後の中国軍の行動予想
シナリオ③は台湾をめぐる戦いで台米連合軍が敗北、もしくは劣勢となり米軍は後退を余儀なくされた場合になります。
その時は法改正が成され日本も参戦できるようになっているかどうかは分かりませんが、2022年10月時点の法では、自衛隊は日本が攻撃されたとしても、領海侵入してきた中国の海上戦力、航空戦力を排除し飛来するミサイルを打ち落とし、ミサイルで破壊された町や村などで救助任務に当たるのみとなるでしょう。
自衛隊が台湾近海に向かい台米連合軍とともに戦うことはないでしょうし、ミサイルなども領海外の中国軍に対し攻撃を行うことができないと考えられます。
この場合、米軍基地が多く存在する日本が攻撃されたかされないかで状況が変わってきます。
日本が攻撃されない場合
中国としては日本が参戦しないシナリオが望ましく、台・米・日・韓をそれぞれ各個撃破して行きたいと考えているはずですから、米軍基地があったとしても日本を攻撃しないという選択肢が一応あり得ます。
この場合、自衛隊は憲法第九条を根拠として傍観することになるでしょう。
ただ台湾軍はともかく協定のある米軍への後方支援は行うでしょうし、直接戦闘と関わりのないところで何らかの支援を行うでしょう。
台湾占領後は米軍への支援を理由として台湾併合後に中国は日本への恫喝を行うでしょう。
この段階で中国軍は米軍と戦争状態に突入し、台湾軍を屈服させ米軍を後退に追い込んでいます。
中国軍は損害状況にもよりますが、勢力圏を広げようとするでしょう。
そして戦いは東シナ海とフィリピン海(第一列島線と第二列島線の間に位置する海)に移ります。
台湾を失った日本とアメリカは、防衛地点を広くしなければならないため兵力は分散し、尚且つ台湾軍の存在が失われるため台湾併合前と比較して大幅に不利な状況となりますが、米軍もより多くの艦船を集結させるでしょう。
日本が攻撃される場合
中国にとって日本は参戦するかしないか不安定要素がある国(法律が変われば参戦できる)であり脅威となる米軍基地が多数存在する国でもあります、台湾とともに日本も攻撃する可能性は高いと言えるでしょう。
その場合においても、2022年10月時点の法では自衛隊は領空、領海外の戦いには参加することができず、ミサイルなどで遠距離攻撃を行うこともできないでしょう。
自衛隊は領空、領海内の敵や脅威の排除に徹するものと考えられます。
ミサイルを発射されたとしても発射した場所を沈黙させることもできず、攻撃に関しては米軍のみが行い、中国軍のミサイルは日本全体(恐らく沖縄・九州・中国地方を中心)に発射され続けることになるでしょう。
その際、中国軍の主標的は米軍基地と自衛隊基地だと考えられますが、都市なども狙ってくるかもしれません。
ロシアと同じく中国も民間人の被害は厭いません。
日本はミサイルによって攻撃されますが、自衛隊や米軍の防空システムによってすべて打ち落とすことができるかもしれませんし、日本の国土はウクライナと同等の状況となる可能性もあります。
ミサイルが飛来する地域の日本国民の安全は自衛隊と米軍の防空システムの能力に大きく依存することになるでしょう。
九州は長崎県佐世保市に米軍基地があり、自衛隊基地も長崎県は北海道に次いで2番目に多いため、簡単には中国軍を近づけさせないと考えられますが、宣戦布告無く急に精密ミサイルでの攻撃をされた場合は分かりません。
米軍基地の多い沖縄も同様です。
中国軍は台湾占領後、損害状況により停止するか進軍するかを決め、時間的な差異はありますが東シナ海とフィリピン海を主戦場とし、沖縄本島と九州にも遠距離攻撃を仕掛け、ミサイルで防空システムを破壊し、空爆などで掃討し、綿密に準備をした上で与那国島から宮古島までの島々や尖閣諸島などへの上陸作戦を行ってくるでしょう。
沖縄・九州周辺以外への侵攻の可能性
◎中国が租借した羅津港と清津港の位置
中国は北朝鮮の日本海側にある羅津港、清津港を租借し、その近海で中・ロ・北の合同軍事演習なども行っています。
そのため日本海側からも侵攻してくる可能性は全く無いわけではありません。
ロシア・ウクライナ戦争においても首都キーウが急襲されたという前例があります。
その際に狙われるのは恐らく新潟県でしょう。
新潟市には中国総領事館もあって情報も入手しやすく、「空港」、「高速鉄道」、「幹線道路」が整備されており、群馬県や福島県と栃木県経由で東京へ向かうことができます。
柏崎市は「柏崎港」があり、東京に向かう「高速鉄道」や「幹線道路」のある長岡市に入り群馬県を経由して東京へ向かうことができます。
上越市は「直江津港」があり、長野県を経由し群馬県や山梨県に入り東京へ向かうことができます。
そのためもし日本海側からも侵攻すると仮定した場合、新潟県は最重要上陸地点となると考えられます。
ただやはり主戦場は沖縄周辺でしょう。
北朝鮮やロシアなどの参戦
いわゆる「台湾有事」が発生し、日本も攻撃された場合、北朝鮮やロシアも何らかの動きを見せるでしょう。
もしかしたら北朝鮮は発射実験と称してミサイル(核ミサイルを含む)を日本本土の自衛隊基地や米軍基地、都市などに向けて発射してくるかもしれません。
北朝鮮が参戦するもしくは韓国に侵攻するというシナリオもあり得、その場合、日本本土がミサイル(核ミサイルも含む)攻撃の対象となるでしょう。
このような状況となっても現行法ではミサイルを打ち落とすことしかできないでしょう。
北朝鮮の陸・海・空軍に関しては在韓米軍や韓国軍が何とかしてくれるはずですし、ミサイル発射点の沈黙についても在韓米軍や韓国軍に何とかしてもらうしかありません。
現行法では自衛隊は海外への出征はできません。
ロシアに関しては2022年10月現在、ウクライナへ侵攻中であり、武器は底を尽きかけ、大きな損害を被っています。
2023年度中に戦争が終結したとしてもロシアの脅威度は薄れ十数年は自ら大きな戦争を起こすことはできないと考えられますが、極東方面の軍は健在であり、嫌がらせはしてくるでしょうし、日本が弱ったところを見計らって第二次世界大戦終結間際のスターリンのように侵攻してくるかもしれません。
もしロシアが侵攻してきた場合、主戦場は北海道と青森、その周辺海域となるでしょう。
日本のシーレーンの変更
◎2022年時点の日本のシーレーン
台湾が中国に併合されてしまった場合、シナリオ①の場合は日本のシーレーンは今まで通り継続すると考えられますが、シナリオ②③の場合はフィリピン海、バシー海峡、東シナ海は危険地帯となり、シーレーンの変更を余儀なくされるでしょう。
しかもソロモン諸島は中国に安全保障を委任していますから、オーストラリア周辺海域を通る航路も遮断されてしまう可能性があります。
そのため、インドネシアを通ってマラッカ海峡へ向かう航路を模索する必要があります。
もし日本がシーレーンの変更を余儀なくされた場合、シーレーンを通って日本に入ってくるモノの物価が跳ね上がりますし、石油価格が上昇しますので、それ以外の物価も上昇の一途をたどるでしょう。
中国のシーレーンの変更
◎2022年時点の中国のシーレーン
2022年時点での中国のシーレーンは日本と同じくマラッカ海峡を通ります。
しかし「台湾有事」となった場合、中国へ輸出入する船舶はマラッカ海峡を通航できなくなるでしょう。
なぜならマラッカ海峡は米軍が支配しているからです。
中国はその対策として石油などの備蓄量を増やしていると言われ、アメリカが「真珠の首飾り戦略」と呼称している新たなシーレーンの開拓を行っています。
◎中国の「真珠の首飾り戦略」概要図
真珠の首飾り戦略はアメリカに対抗する中国の生命線となるはずであり、中国はその心臓部であるクラ地峡もしくはソンクラーに運河を作ろうと必死ですが、今のところタイ政府は消極的であり実現する見通しは立っていません。
クラ地峡やソンクラーの運河計画が頓挫した場合、「台湾有事」の際、中国は外国との輸出入を制限され、国内の石油備蓄を消費しながら台湾及び米(日)と戦わななければならないか、もしくはインドネシアのスンダ海峡などを通って貿易を保つことを余儀なくされるでしょう。
2019年時点における中国の石油備蓄は約80日分であり、2022年はもっと増やしていると予想されます。
そしてイギリスのエネルギー企業であるBP社のレポート「Statistical Review of World Energy 2021」によると、2020年時点での中国の石油生産量は約390万バレル/1日であり、石油消費量は約1,422万バレル/1日です。
そのためマラッカ海峡を封鎖された場合、中国のみで最低110日持たせることができる計算となります。
節約をしてロシアなどからの支援があればより長く持たせることができるでしょう。
スンダ海峡を通航するルートに変更したとしても、スンダ海峡は狭くて浅く、小さな島が多いことに加え、正確な海図も無いため大型船の通航には危険が伴い、中国のシーレーンは不安定なものになると予想されます。
台湾有事はいつどのように起こるのか
台湾有事が本当に起こるのかどうか、いつどのように始まるのかについては、中国の習近平国家主席しか知る人がいないでしょう。
ですが中国政府の発言や中国軍の動向から「台湾を軍事力によって併合しようとしている」兆候が多数見られることから、中国軍が台湾へ軍事侵攻する可能性はかなり高いと見られています。
もし中国軍が台湾へ軍事侵攻を行うと仮定した場合、「台湾有事」が始まる前に台湾の対岸には多くの中国軍が集結し、同時に物資なども移動するため、アメリカの衛星に捉えられるでしょう。
台湾は中国沿岸近くに馬祖列島や金門島などの所領を有しており、馬祖列島は福建省寧徳市と福建市の沖合に位置し、金門島は福建省漳州市、廈門市、泉州市の沖合で囲まれるように位置しています。
◎中国沿岸付近の台湾所有の島々の位置
馬祖列島や金門島などの島々は台湾から遠く中国本土からは近い島になるため、中国軍はまず先にこれらの島々を沈黙させ切り離すことから始めるのではないかと考えられます。
台湾有事の発生を抑止するための日本以外の周辺国の対応
2022年現在、中国と台湾は今まで以上の緊張状態にありますが、台湾の人達は民進党を選び対決する姿勢を見せています。
台湾軍は中国軍と比較して弱く、台湾島への上陸阻止を主たる戦略としているため、台湾が中国へ侵攻することは無いでしょう。
そのため平和を破る能動的な立場にあるのは中国側です。
台湾軍は独自で兵器を開発し領土を要塞化させること、米軍との協力によって抑止力を強化していますし、アメリカは台湾周辺海域における平和を維持するために台湾に武器供与を行い、日本、フィリピン、韓国と関係を深め、東アジア地域におけるパワーバランスを保とうとしています。
2021年6月、アメリカ連邦議会の上院議員3人を輸送機に乗せて韓国の烏山(オサン)基地から飛び立ち台湾に向かったことにより、在韓米軍も台湾有事の際は駆け付けるという意思を表現したと言われています。
韓国軍については、2022年9月に韓国の尹錫悦大統領が「万一中国が台湾を攻撃すれば北朝鮮も挑発を行う可能性が極めて高く、強力な韓米同盟を基に北朝鮮の挑発に対応するのが最優先の課題になるのではないか」と発言しているため、中国に配慮した可能性もありますが、対北朝鮮との戦いを優先させるのではないでしょうか。
ただ、韓国にも米軍基地があり、「台湾有事」のときは韓国も攻撃される可能性があります。
台湾のすぐ南に位置するフィリピンは米軍をフィリピンから撤退させ、2020年2月にドゥテルテ大統領が「訪問米軍地位協定」(VFA)の破棄を通告しました。
しかし中国軍の圧力が強まり米軍なしではフィリピンは弱い立場となることを察したため、破棄の保留を継続していたフィリピンは米軍の地位協定の破棄撤回を行い、米軍を再び呼び寄せようとし、フィリピン北部は沖縄と似た状況ですが、中国に一定の配慮をする姿勢を見せながらも防衛力を強化しています。
各国、中国を念頭に米軍との関係を深めて中国軍を抑止しようとする姿勢が見て取れることが分かります。
台湾有事を発生させないために
現在の中国は拡大政策をとっており、台湾だけではなく東シナ海、南シナ海、フィリピン海などの周辺海域、尖閣諸島や沖縄なども我が物にしようとし、周辺国との軋轢を今まで以上に生じさせています。
東アジアや東南アジア地域の平和を維持するためには、中国の周辺国が抑止力を強化するかそれとも中国が拡大政策を諦めて軍備を縮小するかしかありません。
東アジアや東南アジアを取り巻く軍事的環境は米軍の2個空母戦闘群で中国軍が引き下がったような一昔前の米国一強の時代とは異なります。
そして日本にとっても他人事ではなく、「そのまま放置すれば日本に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態」となりますし、「日本に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態」になった場合、日本の平和や安全に重要な影響を与えることになります。
日本も国を守り平和を維持するために時代に適応し、変化していかなければならないでしょう。