皇帝ナポレオンが愛したチョコレート
ナポレオンは「ショコラ(チョコレート)があれば、他の食べ物を断ってもいい」と言ったというエピソードもあるほどのチョコレート好きでした。
本記事ではナポレオンがどんなチョコレートを好んでいたのかを紹介しています。
ナポレオン好きな方、歴史的背景を知りたい方はぜひご覧になってください。
ホットチョコレート
ナポレオンが生きていた時代、チョコレートと言えば飲み物でした。
当時のチョコレートは砂糖とともにお湯で溶かさないと口にできないほど濃厚でした。
現在のダークチョコレートでカカオの割合が高いものが当時のチョコレートに近いと思います。
そのため、当時の人々がチョコレートと言ったらこの「ホットチョコレート」になります。
ナポレオンも人々の例に漏れず、この「ホットチョコレート」を飲んでいました。
ナポレオンはチョコレートが大好きで、遠征先にも持って行き、夜に作戦資料や地図を見ながらホットチョコレートを飲んで作戦を立案していたと言われています。
そしてよくフランス本国を離れて長期遠征をしていたナポレオンは、チョコレートの欠片を軍の配給品リストに加え、携帯食として兵士にも持たせていたと言われています。
コーヒーもそうですが、自分が使ってみていいものをどんどん軍の配給品として採用していたようです。
昔は「チョコレートをお湯で溶かして飲む」ことが普通だったかもしれませんが、現在では「温めたミルクにチョコレートを入れて溶かして飲む」方が一般的かもしれません。
ナポレオン時代の雰囲気を感じるためにチョコレートをお湯で溶かして飲んでみるのもいいでしょう。
◎ホットチョコ用に最適な「割れチョコレート」
割れチョコレート(通称:割れチョコ)はチョコレートを作る上での規格外品です。
そのためお安く販売されています。
ですが、その味は規格品と全く同じです。
ホットチョコレートは溶かすため形状を気にしませんし、お安く高級チョコレートを購入できるためホットチョコレート好きにはたまらない商品です。
温めたミルクにお好みの量を入れて溶かしてかき混ぜてください。
あっという間に甘いチョコレートの香りが漂ってきます。
クロカマンド
皇帝ナポレオンは主にドゥボーヴ・エ・ガレ(Debauve & Gallais)というチョコレート専門店からチョコレートを購入していました。
ドゥボーヴ・エ・ガレ(Debauve & Gallais)の創業は1800年になりますので、ナポレオンの第一執政時代ですね。
1807年のある日、フリートラントの戦いの勝利を記念して、ナポレオンとナポレオンの料理長カレームはアーモンドのチョコレートを考案しました。
ドゥボーヴ・エ・ガレ(Debauve & Gallais)はそのチョコレートを形にして皇帝ナポレオンに届けたところ大変喜び、クロカマンドはナポレオンのお気に入りのチョコレートになりました。
フリートラントの戦いは1807年6月14日に行われたフランス対ロシアの戦いで、フランス軍が大勝利を収めました。
ナポレオンの親友であるランヌ元帥がウィナ川を渡河してきたロシア軍に攻撃された際、圧倒的な兵力差にもかかわらずナポレオンの本体が到着するまで持ち堪え、その後兵力差がひっくり返り退却したロシア軍はウィナ川に退路を阻まれて大損害を被りました。
ナポレオンもクロカマンドを食べる度にフリートラントの戦いの大勝利を思い返していたでしょう。
ドゥボーヴ・エ・ガレ(Debauve & Gallais)はルーヴル美術館からセーヌ川を挟んだ対岸のサン=ペール通りに位置しています。
1795年10月5日に起こったヴァンデミエール13日のクーデターの時、ナポレオンがバラスの副官としてサントノーレ通りにあるサン・ロック教会周辺で大砲を放ち抵抗する王党派を鎮圧したという出来事がありましたが、そこからセーヌ川を渡りますが歩いて行ける距離です。
パリに旅行に行く際にはヴァンデミエール13日のクーデターのあったテュイルリー宮殿(現在はテュイルリー庭園)やサン・ロック教会周辺からドゥボーヴ・エ・ガレ(Debauve & Gallais)本店に足を伸ばしてみてもいいかもしれませんね。
クロカマンドは通信販売をしていないため、ドゥボーヴ・エ・ガレ・ジャパン(Debauve & Gallais Japan)に足を運ぶか自分で作りましょう。
自分で作る場合、アーモンドはローストしてある無塩のものを使うと楽ですし、チョコレートはバンホーテンの製菓用チョコレート EXダークチョコレート 70%が作りやすくておすすめです。
注意点として、チョコレートに砂糖を入れてお好みの甘さにしてくださいね。
◎バンホーテン 製菓用チョコ EXダークチョコレート
◎無塩ローストアーモンド
◎マリー・アントワネットのピストル
クロカマンドの他、ドゥボーヴ・エ・ガレ・ジャパンではマリー・アントワネットのピストルも販売しています。
マリー・アントワネットが薬が苦くて飲めなかったとき、王室薬剤師がチョコレートに薬を包みこむことを考え出して生まれたチョコレートがあるのですが、マリー・アントワネットはそれを神聖ローマ帝国(マリー・アントワネットの出身国)のピストール金貨に似ていることから「ピストル」と名付けたと言われているチョコレート菓子です。