ナポレオンが研究した「君主論」 

ナポレオンは君主がどのようにして権力を維持・伸長すべきかの多くをマキャベリの「君主論」から学びました。ナポレオンは自身が所有する「君主論」に多くのメモを残しており、君主としての在り方を研究し、実践していました。

もしあなたが国や企業のトップならばどのように振舞うべきなのかを学びたいか、もしくは国や企業のトップの考え方を理解したいなら、トップとしての現実的な考え方の基本を学べるおすすめの一冊です。

マキャベリ「君主論(Il Principe)」

マキャベリは「君主論」の中で「美徳を行っても破滅に通じることがあり、逆に悪徳を行っても安全と繁栄がもたらされることが、しばしばある」、「君主は民に忠誠を守らせるためには残酷な君主であると思われることを気にしてはならない」、「憐れみ深い政策によって結果的に統治しない状態を許す君主よりも、残酷な手段によってでも安定的な統治を成功させることが重視されるべき」など、繁栄や安定的な統治のためには一時の残酷さや悪徳は許容されると主張しており、君主としてのリアルな統治術が記されています。

美徳のみで国や企業を統治できればそれに越したことはないが、現実的にそれは不可能であることを理解している方はマキャベリの「君主論」は最良の書となるでしょう。

ですが、美徳のみで国や企業を統治したい方、もしくは美徳のみで国や企業を統治すべきと考えている方にとっては最悪の書となるでしょう。

勘違いしてはいけないのは、マキャベリは自由な国家が最も繫栄し、自由な国家は共和制である必要があり、安定した統治のためには徳と力が必要であると主張し、理想の国家の実現(目的)のために一時的に残酷であると思える手段を取ることを否定してはならないと言っており、残酷な手段や悪徳で統治せよと言っているわけではないことです。

リアリズムを追及した政治学の名著です。

今度こそ読み通せる名著 マキャベリの「君主論」

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今度こそ読み通せる名著 マキャベリの「君主論」は主要な登場人物一覧や当時の地図などの周辺知識が補完されており、非常に読みやすくなっているためおすすめです。

ナポレオンとマキャベリ

マキャベリは当時小さな国家が乱立していたイタリアの統一を夢見ており、マキャベリの著作を読んだナポレオンはその300年後にイタリアを統一しました。

ナポレオンはマキャベリの「君主論」を何度も読み返し、余白に多くのメモを書き残しました。

ナポレオンはそれほど「実用的な本」であると思っており、実際に実践しようとしたのです。

海外ではナポレオンのメモ付きのマキャベリの「君主論」も出版されています。

1500年代の著作に1800年代のナポレオンの考えなどが加わりより近代的な書籍となりました。

ナポレオンが「君主論」を読み、何に疑問を持って、どのように理解していたかが分かる一冊です。

THE PRINCE: COMMENTED BY NAPOLEON BONAPARTE(君主論:ナポレオン・ボナパルトのコメント付き)

ナポレオンがワーテルローの戦い(モン・サン・ジャンの戦い)で敗北した後の馬車の中に残されていたと言われています。

※ワーテルローの戦いという名は勝者であるウェリントンが命名したものであり、ナポレオンは決戦場となった地名にちなみ「モン・サン・ジャンの戦い」と呼び、プロイセン軍ブリュッヘル元帥はナポレオン軍の本営のあった場所にちなみ「ラ・ベル・アリアンスの戦い」と呼びました。